長野南高校→名古屋大学工学部物理工学科 合格お祝い対談
素読舎で英語をやって突破口を作り、長野南高校から名古屋大学に合格した田中陽平君に、体験を語ってもらいました。(聞き手 村田晴彦)
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村田
長野南高校から名古屋大学に合格したわけだけど、何学部?
田中
工学部の物理工学科です。
村田
素読舎で英語を始めたのはいつごろなのかな。
田中
高1の3月の終わりに入って、高2から本格的に始めました。
村田
そのときの英語は、どんな感じだったの?
田中
始めた時はぼろぼろです。かなり激しくやっても、高校卒業の時で、偏差値がやっと50に届くか届かないかぐらいだったんですよ。
でも、浪人になってから、5月の模試でいきなり偏差値60くらいになって。12月に一番最後の記述模試があって、英語の偏差値が67でしたね。
村田
それはどこの模試?
田中
代ゼミです。そのときに、物理も69だったんですけど、化学があまり伸びなかった。だから、化学をカバーするために、英語と物理で柱を作っていました。
村田
英語と物理がよかったんだ。
田中
名古屋大学の場合、英文自体はそれほど難しくはなかったんですけど、記述量が多くて、下線部和訳だけでも6~8個くらいあった。それから説明問題というのがありまして、それが2問ありました。英文の内容を日本語で60字くらいにまとめろ、というものです。それから英作文、文法問題があって、全部で90 分。すっごくしんどかったけど、英語は一読した感じで、楽だと感じました。
英語をやり始めた時は、読みながら日本語に訳していくような感じでしたけど、だんだんそんなことしなくてもわかるようになったので、本番では楽だと感じました。
村田
英文を読んでいくときに、漢文みたいな「返り読み」をしないで、文の最初から読んでいくということ?
田中
そうですね。もし途中でこんがらがっても、前のパラグラフから読み返すだけで、単語をいちいち日本語訳したり、文の途中で目を右から左へ動かして読むことはなくなりました。だから、名古屋大学みたいに英文の量が多い試験には、よかったと思います。
村田
高校在学中にも、そういう感じはあったのかな。
田中
ないですね。
村田
やっぱり浪人からなんだ。浪人の、いつぐらいからそういう感じになってきたの?
田中
5月6月頃でも、センター試験程度のものは、そういう読み方をしていました。小説なんかはきつかったけど。夏を過ぎたら、分野を問わず、返り読みをしないで読んでいました。
村田
高校2年からだから、2年くらいでそういう読み方ができるようになったんだね。俺、田中君を見てて思ったんだけど、進み方が早かったよね。
田中
現役の頃は、それほどでもなかったと思います。予習もあまりしていなかったし。卒業する頃に、「基礎問題集」の450くらいでしたし。
村田
じゃあ、「700選」に入ったのは浪人してからなんだ。高校の時には、素読舎の標準的な練習をやってたんだよね。それで、浪人になってから、「技法グラウンド」に入ったんだよね。
田中
高3の終わりに、塾で受験休みみたいなのをもらったんですよ。それで、1月から2か月くらい塾には来ていなくて、3月の終わりに来てみたら、「技法グラウンド」が始まっていた。
初めて見る光景に、えー!と思っていると、『田中もやれよ』っておじさんに言われて、訳もわからずやって…という感じでしたね。
村田
最初にやったとき、「口のまわりが痛くなりましたよ」と言ってたけど、「技法グラウンド」を初めてやった時、どうだった?
田中
長くやっていると、ほんとに口がまわらなくなりましたね。口の筋肉がくたくたになる。月曜日の『無料パソコン教室』でキータッチの練習をしている時の指みたいに。なにをどうしても舌をかんじゃう、みたいな状態になりました。
村田
最初の頃は相当苦労したね。
田中
秋頃でも、長い時間やってると、きつかったですね。ほんとに予習をきっちりやっておかないと、文を見ないで5回言うなんていうのはなかなかできなかったので、平日も練習できる時はできる限り練習したし、土日は午前もずっと練習している状態でした。
村田
浪人になってから素読舎の練習の予習を始めたみたいだけど、予習はどんな感じでやってたの?
田中
まず、英文を暗唱できるようにしてから、5回言えるようにする。練習の時に5回できたからって、本番の時にはダメなことはあるから、10回くらいは回せるようにしてから塾に行っていました。
村田
時間はだいたいどのくらいかけてたのかな?
田中
集中力によりますね。夏だと、ダラダラしちゃって、集中しないで一日中やってる時もあったし…とにかく、そんなに簡単に片づけられることではありませんでした。
最初の頃、ちょっとしたところでつっかかっても「はい、だめ」って言われて、「これを続けていていいのだろうか。これを1年間続けていて果たして成果が出るのだろうか」と悩んだ時期もあります。LとRの違いとか、Tが重なるところで、前のTは発音しない、とか、そういうところのいい間違いで練習全部やりなおし、っていうことで。これを続けても駄目なんじゃないかって。
村田
悩んだ?
田中
「これはマズイんじゃないか」と(笑)。でも、一ヶ月過ぎたら、つっかかることもなくなったし、あんまり「だめ」って言われることもなかったような気がします。で、いつの間にかそんなことも忘れて、ひたすら練習していました。
村田
根石さんは、「空っぽの電池を作る」っていう言い方をしてるんだけど、聞いたことある?
田中
はい。
村田
浪人の時はそういう感じでやっていたのかな。まずは意味は考えなくてもいいから、音作りをする。意味は考えちゃうと思うけど。
田中
どうやっても構文などの文法事項は頭を離れなかったけど、それは最初だけで、一度ちゃんと口が動いて読めるようになっちゃうと、意味をともなって文として読めるようになったと思うんですけど。
村田
俺は「月曜インプット教室」の生徒でもあるけど、そこで練習しているときって、LとRの区別とか、Wは口をとんがらかすんだ、ということに気をつけて読んでいると、文が頭に入るんだよね。正確に言うと、「こういうことに気をつけるんだ」と頭の中で思うんじゃなくて、文字を見たら条件反射みたいに口が動くようにしちょうと、文が頭に入ってくる。
田中
ああ。僕の場合は、THの場合でも、発音に気をつけなかった時はwithを「うぃず」とかやってたんですけど、それをちゃんと発音するように直したら、あとは何を読む場合でも正しく口を動かそうとしてました。反射的にそう読めるようにしました。注意されたポイントは何を読む場合でも使っていきました。
村田
田中君は、英文を見ないで「技法グラウンド」をやった最初の人なんだよね。あの時、俺、そばにいたけど、田中君、いつもの練習やってて、「それじゃ、教材見ないでやってみるか」って言われたでしょ。あのときどうだったの。
田中
あのときも予習やってあって、暗唱ができるようになってたから、普通にできたって感じで、予習してなかったらまったくできなかったですね。
村田
最初から結構できてたよね。あれ、すごいな、と思ったよ。
ところで、「長文読解」についてなんだけど、かなりのスピードで進めていたよね。1日でどのくらい進んでたの?
田中
始めて一ヶ月くらいで、1日3枚くらいどんどん回せるようにして、それから6枚くらいにしていた時期もありました。
村田
普通の人の2セット分ってことだね。
田中
はい。その頃は、センター試験まであと一ヶ月、という時だったんで、2、3週間くらい、2セットやってた時があります。
村田
長文も「技法グラウンド」みたいにやってたのかな。
田中
あのやり方ですごく練習しました。
村田
あれは一番最初が苦労すると思うけど?
田中
そう思います。
田中
宅浪してると、プライドみたいなものができちゃって、私大に行くなら早慶だな、と。でも自分は国公立一本で行こう、と思いました。
村田
宅浪のプライドってどういうの?
田中
予備校に行ってる友達の話を聞くと、「ここを受けたいんですけど…」と言うと、予備校の進路相談の先生みたいなのが、「だめだよ」と言うらしいんですよ。宅浪だと、そういのが一切ないから、自分を過信できるというか(笑)、できるできる、と思って突っ走れるというか…。
村田
でも、そういのがまた、良かったかもしれないね。変にコンピュータでデータ検索して「模試の結果がこの位だから、この学校なら大丈夫だよ」とか言われるよりさ。試験ってミズモノだし。
田中
本当は、京大を目指していたんですよ。駿台とか河合の実戦オープン模試があって、入試即応の問題をやったりもしてたんですよ。誰にもそういう情報は見せずに(笑)
友達には最初の頃、「俺は京大に行く!」と言ってたんですけど、途中でこれはほんとに無理だと思いました。英語にしてもちっとも解けない。
村田
そう?
田中
そうなんですよ。英語は和訳と英作しか出ない。読む量もそんなに多くないけど、自分では難しく感じて。これはいけない、と。
村田
数学なんかも?
田中
そうですねぇ。難しいですよ。名古屋も、1問も完答はできなかったんですよ。4問で120分だから、全部手をつけようと思ったら30分づつ配分できるんで、得意な人にとっては得点できるらしいんですけど、1個はまったくわからなくて、もう1個は限りなく完答に近いところまでいったんだけど、完答にはならなくて、他の2つも適当で、あ、こりゃやっちゃった、と思って、受験の後、名古屋は落ちたかな、と思ってました。
村田
根石さんが、受験が終わってから、模試の結果を見せられた、と言ってたけど…。
田中
ああ、そこで初めて見せました(笑)こんなんでしたよ、って(笑)
村田
終わってからなんで見せるんだ、と言われてたね(笑)
田中
代ゼミの最後の模試っていうのがあったんですが、それでも名古屋はB判定で、センターの点に、二次の点を足して合否を決めるんですが、記述だけで考えるとB判定で、センターだけで考えるとB判定で、ドッキングすると、ぎりぎりBぐらいで…。
村田
判定って、そういうもんだよね。
田中
でもそこは、「いや、だいじょぶさ」と思って(笑)
何かがあるんですよ。もし自分が予備校に行っていて、その時期にD判定が出ていたら、絶対に名古屋大学を受けていなかったろうし、もっと無難なところを受けていたかもしれない。
村田
物理はもともと得意だったわけ?
田中
いや、それは今年になってからですね。英語以外は全部独学です。
村田
孤独にやっていたんだ。
田中
孤独ですよ。孤独との闘いでしたね。
村田
宅浪はよかったですか?
田中
宅浪はいいですよ。最初はきついけど、後半は苦にならなくなりましたね。早起きが大変なだけでした。
村田
早起きしてたんだ。
田中
後半は全然ダメだったけど。生活のリズムを崩さないでどれだけできるか、とか、そういうところがポイントだと思います。あと夏の暑さとどう戦うか(笑)
よく量より質っていうじゃないですか。自分も最初そう思っていたんですけど、だんだん甘えが出て来ちゃって、夏の間、勉強時間が2時間だった時があったんです。さすがにこれはどこにも行けなくなる、と思い、とりあえず10時間を目標にしてやっていました。だから10時間は確実にやっていました。
物理は、東大京大レベルの問題しか載っていないような問題集をやってました。
村田
それ、なんていう本?
田中
ニュートンプレスの『難問題の系統とその解き方』という本なんですけど。例題が115問あって、それを最初から最後まで何度もやっていました。115問を4回かな。例題を1問解くのに1時間かかっちゃうような恐ろしい本で、4回やった後でも30分くらいかかっちゃいましたが。
よくZ会は難しいっていうんですけど、友達がZ会に入っていて、その友達に問題を解かせてもらったんですけど、英語と物理は一番難しいコースの問題が解けちゃったから、やらなくてもいいかな?と思いました。
英語は、Z会の「速読英単語」っていう参考書を自分でやっていました。これは、1ページに200語くらいの英文があって、その隣のページに訳があって、その後に単語があるんですが、それを声に出して読んでましたね。とにかく英語は声を出して読んでいました。素読舎のやり方です。
塾では、塾生で、現役の人いたじゃないですか。あの人が自分より練習が先に行っていそうで、そっちの方をチラ、チラ、とうかがっていたりとか、あと、浪人始めた頃は荒井さんが自分より先に行ってて、「あ、まずいまずい」ってすごいあせって、それが危機感を感じさせましたね。
だって荒井さんて、2、3年下じゃないですか。それでこんなに先に行かれていたら、ってすっごい焦ってましたよ。
で、ペースを考えたら、絶対まずい、間に合わない、「700選」も終わらないかもしれない、と思って、必死でしたね。
村田
「700選」は終わらせたんだよね。
田中
はい、終わらせました。だから、「長文」に集中できて、1日で6枚進めることもできたんだと思います。でも、自分の中では「長文」は全部終わらせるはずでしたから、残念です。
村田
どの位いったんだっけ?
田中
150までは行ってました。入試直前になって、「復習がおろそかになっちゃうから、新しいのはやらないで復習だけやりたい」、と言ったら、おじさんに復習だけでまわすほど量はない、と言われて、ずっと、新しい長文を進めていきました。
村田
週に2回来ていたのがペースメーカーみたいになっていたっていうのもあるのかな。
田中
そうですね。この1年間で、勉強時間のうち、英語がかなり占めていると思いますよ。
村田
どのくらい占めてたの。
田中
4割くらい占めていると思いますよ。半分とは言わないけど。
国語が自分にとって爆弾で、現役の頃も50点くらいで、浪人になってからもあまり上がらなかったんですよ。それで夏くらいになってから、おじさんに相談してみたら、「(国語は)やめちまえ」と言われて、それでやめちまおう、と思って、ほんとに国語の勉強はやめちゃったんですよ。それから国語には一切、手をつけませんでした。
ただ、一ヶ月くらい前になってから、「さすがに全くやらないのもまずいだろう」と、それまでに受けた模試の問題を、読み返したんです。問題を解くわけではなく、文章に慣れるためにただ読む。それで、本番では、平均点くらい取れて、なんとかしのげた、と。
これについては、素読舎で、日本語の本を読む、っていう練習を浪人の最初の頃やったんです。
これは、おじさんの前でつっかからないように読む、という練習なんですが、別に金をとるわけでもないし、終わらせなければ帰れないわけでもないから、ということでやったんだけど、自分は3回くらいでやらなくなってしまいました。
この練習は、意味があったんだと思います。直前の一ヶ月、自分で読む練習をして、結果がちゃんと出たから、もっと続けていればもっと何か起こったんじゃないかと思ったりもします。
村田
これだけはしゃべっておきたい、っていうのはないかな。
田中
大学に合格してから、月曜日に素読舎のパソコン教室に行ってキータッチの練習したんですけど、月曜日は英会話もやってるじゃないですか。隣であの練習の時の読み方とか声を聞いていて、驚きました。
ああ、自分はこれに比べたら練習足りないな、全然まだだな、って痛感しましたね。ああ、これには遠いなって。とにかく、言葉のやりとりの速さにびっくりしました。
村田
田中君は現役の頃も根石さんと対談やってたけど、あの頃はアルファベットの順番も知らなかったって言ってたじゃない。すごくがんばったと思う。
田中
おじさんも言ってたんだけど、今の自分の英語は、きれに積んであるんじゃなくて、どーんどーんって積んである知識だと思います。だから、メンテナンスが必要だと。これから細かく修理していかなくちゃいけないと思います。
予備校へ行ってたやつでも、文系の人は1年やって英語が好きになる人はいたけど、理系の人は最初から捨ててかかっているから、素読舎を使ったのが、その点よかったと思う。
自分の中では、新しいものを取り込んでいこうという気持ちがあります。「電話でレッスン」をすぐやるか、といったらきついですが、いろんなことを続けていきたいと思います。