英検・TOEIC の報告


TOEIC 高得点記念インタビュー

   420点から870点へ


素読舎だけを使ってこられたI村さんが、先ごろ、TOEIC で870点を得点されました。今までレッスンを受けてきた中で、どんなことが起きたか、スカイプを通してお話を聞かせていただきました。(2011年6月26日)

参加者:
I村さん(「スカイプでレッスン」生徒)
根石吉久(素読舎塾長)
小川住江(素読舎コーチ)
村田晴彦(素読舎コーチ)



村田
こんばんは。小川さん、聞こえてますか?

小川
こんばんは。はい、聞こえてますよ。
I村さん、おめでとうございます。

I村
ああ、どうもありがとうございます。

小川
快挙!

I村
ああ(笑)そうですね。ありがとうございます。

村田
今、根石さんはビールを買いに行っているので、後から参加してきます。
I村さん、おめでとうございます。

I村
ありがとうございます。

村田
今日は直前になって小川さんが参加してくださってありがたいです。

小川
なんでですか?

村田
私は TOEIC を受けてないので。

小川
私ね、I村さんが「大風呂敷」に870点て書かれた時、激しく動揺しましたよ。私、最後に受けた TOEIC が、同じ点なんです。

村田
同じなんですか。

小川
もう10年くらい前なんですけど。
860でAクラス入りですよね。

I村
ああ…、860でひとつの区切りなんでしたっけか?

小川
そうです。
730がひとつの区切りで、860がまたひとつの区切りです。

I村
そうですね。
まあ、今回は本当にできすぎだったので。

小川
いやいや、なんぼできすぎでも、そこまで行きませんわ(笑)

I村
(笑)

小川
できすぎなことないですわ。やっぱり実力やもん。これができすぎだとしてもね、次に100点も下がるとか50点も下がるってことはないと思いますもん。

I村
ああ。

小川
大丈夫ですよ。

村田
ところで、I村さんはレッスンを始めてどれくらいになるんですか?

I村
レッスンは、今年の5月で丸7年なので、8年目ですね。

村田
レッスンを始める前は、何かやってらしたんですか?何か他の学校に通っていたとか、留学していたとか…。

I村
大学を卒業してから、SAPIOに書いてあった根石さんの記事を読んで、そこに書いてあった國広さんの本を買って、それを読みながら、自分で少しはやっていたんですよ。

村田
國広さんの本を読んで。

I村
初心者は、いわゆる音読というのをまずやらなければ駄目なんだと。そうなのか、と思って、半年くらい、自分でやっていたんですよ。その後、根石さんのレッスンを始めました。
旅行はしたことはありますが、留学はしてませんね。

村田
ずっと根石さんのレッスンだけだったんですか。

I村
そうですね。もう英語の勉強は根石さんのレッスンのみと言っていいんじゃないでしょうか。

小川
ええ!すごい。
あの、私、口はさんでいいですか?

村田
どうぞどうぞ。

小川
素読舎へ入られた時、相当練習されました?そればっかりをやっている感じでした?

I村
そうですねぇ…。

小川
毎日やったとか、何時間やったとか。

I村
ああ。レッスンを始めて最初の1、2年が、正直言って一番がんばった時だと思うんです。

小川
そうですか。

I村
ええ、音読は本当に声が枯れるまでやっていたんで。最初の1、2年は結構がんばっていたんですけど、3年目以降は良くも悪くもレッスンに慣れてきてしまって、その頃になると、がんばったのかな、というと微妙ですね。正直なところを言うと。

村田
最初は何のテキストをやっていたんですか?

I村
ええとですね、もう名前も忘れてしまったんですが、國広さんでしたっけ、根石さんがよく言っている…。

村田
國広正雄さんですね。

I村
そうです。今 amazon で検索していますが…ああ、これですね。「英会話・絶対音読 入門編」だったと思うんですが。

小川
ああ。

I村
あとは題名を忘れてしまいましたが、音読の基本的なところをおさえた本です。私は根石さんのレッスンを始めるまでは、受験英語しかやっていなかったので、発音記号さえ読めなかったんですよ。

小川
失礼ですけど、お年を聞いてもいいですか?

I村
私、35になります。

小川
そうですよね。だいたい大卒の英語力の平均が430~450くらいだそうなんです。だから、本当にそのくらいから始めたんですよね。

I村
そうですね。TOEIC を受けたのは、レッスンを始めてから2年目くらいだったんですね。初めて TOEIC を受けてみて、その時は420くらいだったと思います。受験英語では音読なんてやったことがなかったもので、発音記号の読み方さえわからなかったんですね。そこから始めたんです。

小川
今でも学校では発音記号なんて教えないですね。

I村
やってはいたと思うんですよ。でも私は点数にならないと思って聞いてなかったんだと思います(笑)。学生さんの多くは今でもそうだと思いますけどね。

小川
学部は何学部ですか?

I村
理系の理学部です。化学をしていました。

小川
そうなんですか。

根石
こんばんは。

I村
どうも。

村田
今、いつごろ始めたのか、という話をしていたんですけれど。

根石
そうか。ええと、I村さん、何年くらい前になるんですかね?

I村
レッスンを始めたのがですか?

根石
ええ。

I村
5月でまる7年になります。いま8年目です。

根石
そうですか。もっと長くやってられるかと思っていたけれど。7年ですか。

I村
まる7年です。

根石
8年目に入ったと。

I村
そうです。

村田
さっき小川さんから、大卒で450くらいだという話が出ていまして。そうですよね?

小川
学部に関係なく、大卒の人の平均が、だいたい430とか、450くらいだと聞いたんですよね。だから、I村さんは、そういう標準のところから始めてそこまで行かれたからすごいな、と思いまして。標準ていうのも失礼ですけど…。

根石
勤めながらっていうのがすごいですよ。

小川
ええ。すごいですねえ。疲れますものね。会社から帰ってきて。

I村
いえ、あんまりがんばってないんですよ(笑)。

根石
でも、一日拘束はされるわけですし。

I村
そうなんですが、私は性格上、時間がたくさんある日は勉強できないんですね。逆に。

根石
えっ?

小川
あ、わかります。

I村
今日はこの15分しかないから、15分だけ音読やっておくか、とか。そういう方ができるんです、私は。

小川
そうですね。

I村
今日は休みだから2時間やろう、というのはできないんですよ、性格的に。

根石
じゃあ、そういう細切れの時間を使ってずっとやってきたっていうことですか?

I村
そうですね。

根石
それもすごいですね。俺はそういうのはちょっとできないね。ずぼらだから(笑)。
俺は10時間たて続けにやるのは、若い頃は平気だったけれど。大学受験の頃は10数時間やっていましたね。

小川
えっ、英語だけですか?

根石
英語だけ。

小川
尋常じゃないですね(笑)。

根石
寝るまでやって、起きたらやる(笑)。

小川
非凡というか変というか(笑)。…ものすごいですね、それ。

根石
ずっとそうだったわけじゃないですが、そういう状態が結構続いていましたね。自宅浪人だったから。別に苦にならなかった。面白くてやっていたから。

小川
面白かったですか。

根石
面白くなければやらないですよ、そんなに(笑)。「あ、面白いな」と思ってやり出したから、面白いと思ってやっていれば、10時間超えようがなにしようが…

小川
うんうん、それはそうですね。結局人間て、やりたいことしかしませんもんね。

根石
…う~ん。やりたくないのにやりましたよ。「世界史」。

一同
ああ。

根石
あんなものやりたくねえよ。でも、あんなものでもやっておくと、大雑把な流れが頭の中に入っていて、本を読んでいる時に助かる時はあるね。
I村さん、ボキャブラリーの方はどうやっていたんですか?

I村
普通にテキストの単語を覚えていただけですね。

小川
「ゴースト」とか「七年目の浮気」ですか?

I村
もちろんそれもありますけれど、TOEIC の問題集なんかですね。あとは reading の方の問題集がありまして、それをやりました。まあ普通ですよね。コツコツと。

根石
単語を覚える時にはどうやっていました?

I村
そうですね…。それは学生時代から変わらず、自分で表を作ってやっていました。すいません、これも普通で。ほんとに。

根石
私の提唱していることはやっていなかったですか?

I村
それもやってますよ。

根石
単語帳でやろうが、「電圧装置」でやろうが構わないんですが、要するに「言いながら書きながら思う」っていうことです。
通勤は車ですか?

I村
私は自転車です。

根石
自転車だと、自転車に乗りながら単語帳を開くわけにはいかないですね。

I村
公式問題集の音声スキットは聞いていますけれど。

根石
自転車に乗りながら?

I村
はい。なので、普通のことしかやっていないですね。

小川
今聞いている中で、普通じゃないことといったら、素読舎だけですよね。

I村
ああ、なるほど。普通じゃないんでしょうね、やっぱり(笑)。

小川
今回のことは生徒のみなさんにとっても、ものすごい目標ですね。希望というか。

根石
掲示板に「点が取れすぎだ」と書いていますけれど、まあ、ああいうテストの場合は、取れすぎている人がほとんどですから…

I村
そうなんですか?

根石
どういうことかっていうと、テストの直前にかき込むということをやりますので、当然、点を取り過ぎるんですよね。
今まで私がこの人は取り過ぎていないな、と思った人は、ミッフィーさんです。この方は高校の英語の先生です。この方は準備しないで英検1級をとったんですよ。本当に何の準備もしていなかったのかと聞いてみると、学校の授業の準備をよくやっているんです。ミッフィーさんには、それが役立っているんじゃないんですか、と言ったんですが。とにかくミッフィーさんは、英検用の準備はしないで受かったというので、ああ、この人の場合は点を取り過ぎていないなと思いました。

小川
でもね、そこは相当いい学校じゃないですか?

根石
いや、そんなことはないですよ。

小川
でも、高校の授業だけで2次試験もいけますかね?私、それは信じられませんけど。

根石
高校のテキストじゃ駄目ですか。

小川
2次試験はね。英検を取られたのは最近のことでしょう?20年も前のことじゃありませんよね。特に面接試験なんてそれでいけるのかなと思います。せめて英字新聞を読んでおられたならわかるんですが…すごい問題が出ますよ。例えば、教育制度について2分半でスピーチせよとか。

根石
高校の教科書の文章が易しくても、下準備でやっておくレベルはまた別ですから。同じ文章を扱っても、生徒が扱うのと、先生が下準備をやるのでは違いますからね。下準備をどこまでやるのかっていうことになれば、本当にやる人なら、語源を調べるところまでいくかもしれないし、それはわからないですよね。

小川
うぅん。

根石
テキストが易しいからって、準備のレベルが低いとは言えないですから。

小川
でも、語彙なんかでも高校ではカバーできないと思うんですよね。だから、高校の勉強だけじゃないと思います。授業の副教材を作るために何かを読んだとかじゃなないと。私いま必死になって言っていますけど、英検1級の語彙レベルって1万2千語でもちょっと難しいんですよ。高校だと、いい高校だと7千語、8千語くらいあるだろうけれども、普通の高校だったら4千語とか5千語だと聞きましたから。

根石
何だったら4千から5千?

小川
普通の高校というか、公立の高校だったら、習う語彙がだいたい4千語レベルから5千語レベルなんです。

根石
そんなもんですよね。ただ、先生がそのレベルでいるってことはないと思いますよ。

小川
だから、なんていうか高校レベルの勉強だけじゃないですよね。

根石
高校生の教科書を扱っているからといって高校生と同じじゃないんだから。

小川
英検用の準備は何もしないで英検をとったって言ったでしょう?だからすごくびっくりしたんです。

根石
ただ、私のレッスンの中では一番きついことをやらせたのは確かなんですよ。今やっているレッスンとは違うんですよ。

小川
集中豪雨っていうやつですか?

根石
そう、「集中豪雨型」をやっていたんです。I村さんも以前それをやっていたんですよね?

I村
はい、やっていました。

根石
小川さんも少しやっていたんじゃないですか?

小川
はい、やってましたけど。きつかったですね。

村田
I村さんは「集中豪雨型」をどれくらいの間やっていたんですか?

I村
結構やってたんじゃないですかね。

根石
「ゴースト」に関してはそれでやったんじゃないですか?

I村
やっていましたね。でも「集中豪雨型」だと、レッスンの最後の2分間くらいしか時間が余らないんですよね。だから全然進まなかったことがよくありました。「ゴースト」の残り10ページを残すぐらいまでそれでやっていた覚えがあります。

根石
私の方で、「こっちに切り替えます」と言って切り替えたんですよね。

I村
そうです。「ゴースト」の後半も後半で、残りあと少しだったと思います。

根石
「ゴースト」の後半で「集中豪雨型」をやったんでしたっけ?

I村
後半まで「集中豪雨型」でやっていました。

小川
私、今ものすごくショックなんですよ。私、血尿が出るくらい勉強したんですよ?もう寝不足で、ユンケルローヤルとか、ああいう栄養剤を飲みながらやっていたんですよ。だから、今、ちょっと泣きそうですね。

根石
私のレッスンを受けていて、あるところまで行くと、前へ進んでいるのか止まっているのかわからなくなってしまいますけど、基礎体力みたいなものを作る、あるいはそれを維持する機能としては働いているはずだと思うんですよね。

I村
はい。

根石
だから、ある時ぐぐっと伸びる、そういう形になると思います。もちろん、本人が自分でやるからなんですけど。I村さんには、枝の生やし方としてはとてもいい生やし方をしてもらったと思います。TOEIC の受験を他の人にも奨めようと思うんですが、私自身が全然やる気がないんで。なんていうか口はばったいっていうか。

I村
まあでも「七年目の浮気」が終わったあたりで TOEIC を受けてみるのは悪くないと思います。

根石
そうですね。「ゴースト」が終わったあたりで、それまでとだいぶ変わったなという感じがあっても、「七年目の浮気」が終わっているレベルはまた一段と違いますよね。

I村
ええ、違うと思いますね。それは実感としてありました。

小川
「七年目の浮気」は語彙とか構文もレベルが高いですよね?

根石
でも語彙はやっぱり問題集をやらないと足りないと思いますよ。
そういえばミッフィーさんは「七年目の浮気」が終わってたんじゃないかな。

小川
終えられてたんですか。

根石
そうだと思います。

小川
なんか早く「七年目の浮気」をやりたくなってきた。

根石
「七年目の浮気」を終えれば、外側に枝を生やした場合に、結構なところを狙えると思います。

I村
「七年目の浮気」を真面目に終わらせれば、600点くらいは取れると思うんですけどね。それくらいは多分できると思うんですけど。

根石
問題集などをやらなくても、っていうことですか?

I村
はい、おそらくはいけるんじゃないかと。

根石
どうかなあ。だって、語彙数なんて、しれてますよ。

I村
TOEIC は語彙はそんなに重要ではなくて、なんとかなるんです。もちろんやっておいた方が点数は取れますけれども。
私は英検は受けたことはないんですけれども、TOEIC は英検ほど語彙を必要としない、という記事はよく見かけますね。単語を知らなくて解けない問題はそんなにないんですよ。

小川
読解というよりも、なんていうのかな…

根石
反射神経ですか?

小川
そうですね。それで事務処理の問題が多いですね。クレームのこととか、ブッキングのこととか。

I村
そうですね。

小川
実務系ですね。だから、この括弧に何が入るのかというような、ややこしい穴あき問題なんか出ませんものね。

I村
そうですね。と言っても私は文法は一番苦手なんですけど。でも、意味がわからなくても、リスニングもリーディングも、なんとかなってしまうんですよ。

根石
ああ、それはわかりますよ、感覚として。ここはこうでしょ、と思うと当たっているっていう(笑)。

I村
リスニングの方は、こういう感じのことを言っているから、こういう答だろう、ということさえわかれば、とりあえずは正解なので。

根石
私が大学を受けた時、たしかイディオムばかり20個くらい出題されたのかな。そのうち、自分が知っていて答を書いたのは1個だけですよ。

小川
正解率はよかったんですか?

根石
ほとんど全部合っていましたね。1個間違えたくらいで。

小川
でもそれって、on とか in とか for とか take とか have とか、そういう易しい言葉のイメージをしっかり持っていたからでしょ?

根石
そうそう。イメージがあるから、これを括弧に入れればおさまりがいいだろうということにして、入れていくと、だいたい当たっていましたね。

小川
そうですよね。on を「上」なんて習っていると、それで固定してしまって、イメージが働きませんものね。

根石
イメージにしてあるかどうかっていうことですね。

小川
そうですね。

根石
日本語に置きかえた段階で満足しないでイメージにしてあるかどうかってことです。
だからI村さんの、単語を知らなくても点になるっていうのは、自分のそういう経験からわかるんです。

小川
根石さんは、知らないと言われますけど、わかってらっしゃるんですよね、やっぱり。

根石
だから、そのイディオム自体がその形で存在するのは知らない。
話は少し違う方に行ってしまうかもしれないですが、私はウドと話している時、勝手に英語を作るんですよ。

小川
ウドさんがですか?

根石
いや、私が。

小川
(笑)

根石
こんな言い方はしないだろうな、と思いながら、でも思いつくからそのまましゃべっている。そうすると次に会った時に、同じことをウドが言うから、そんな言い方が辞書に載っているのか?って言うと、ウドは、そんなの誰でも使っている、って言う(笑)。こんな言い方は標準的には存在しないだろう、と思って使っていたら、その言い方はあると。そういうことが何回かありましたね。私は、普段英語を使っていない人なら、それで一向に構わないと思っているんです。
みんな、すでに存在している正しい言い方を習って、それを使わなければいけない、と思っている。そうじゃなければいけない、と思う必要はない。自分でどんどん作って、ひとまずしゃべってみる(笑)。

小川
ほんとにそうですよね。例えば go for it なんて、イメージを持っていたらわかりますよね。

根石
ああ。

小川
イディオムとして知っていなくてもね。
だけどI村さんのお話を聞いていても、ミッフィーさんのエピソードを聞いていても、なんていうかなあ…、ショックですね。

根石
何がショックなんですか?

小川
I村さんにしろ、ミッフィーさんにしろ、素読舎一本でやってきてね…私なんてやり方がわからないから、学校へ行ったり、あれやりこれやりで四苦八苦しながら、870とか英検1級とったわけじゃないですか。

根石
800何?

小川
TOEIC 870とかね。

根石
ああ。

小川
もう巷ではみんなやっとこさで取るわけじゃないですか。だからもう、素読舎の生徒さんは飛行機に乗って行くような、ジェット機に乗って行くような気がしますね。

根石
でもさっきの話と同じだと思いますがね。基礎体力だと思いますよ。

小川
後はもう必要なものを増やしていくだけですもんね。語彙とか。

根石
基礎体力があれば、それはもう消化力だから、固いものを食べても胃が痛くならないというか、消化の悪いものを食べても下痢しないというか。もう胃袋が違うわけだから。基礎体力が消化力であるということで言えば、素読舎のやり方でやれば、いつの間にか基礎体力ができるんですよ。それはなかなか自覚されないんですが。胃のいい人は、俺は胃がいいなんて自覚しないですよね。

小川・村田
うんうん。

根石
胃が悪い人は、自覚しますけれど、胃がいい人は自覚がない。その自覚がない部分に丈夫さがある。

小川・村田
うん。

根石
そういう作用はあると思いますよ。英語の基礎体力みたいなものがいつの間にかできている。だから、大雑把に言えば、何年やったかは、大いに関係あると思いますね。3年の人と6年の人でははっきり違うし、6年の人と9年の人ではやっぱり違うし。その先は、あんまり違ってこないかもしれないですけれどね。9年と12年でどれだけ違うのかと言われると、まだ12年の人はいないからわからない(笑)。まあその先は、違いはそんなに見えなくなってくると思います。その先は、維持することに注意してもらいたいと思います。6年以上素読舎を使った人が磁場へ渡れば、もう充電は起こります。チャンスがあれば、向こうへ渡るのもいいし、チャンスがなければ持ち続けることになるんですけれども。
俺ばかりしゃべっていちゃいけないや。村田君、インタビュアーなんだから聞いてくれよ。

村田
私は、小川さんがびっくりしていることにびっくりしているんです。

小川
いやいや、びっくりですよ。私、どれだけ勉強したことか(笑)。お金も使ったし。

村田
I村さんは、レッスンが幹となっているんですよね。

I村
そうですね。まあ正直に言えば、TOEIC を受けようと思ってからは、8:2くらいで TOEIC の方に力を入れていましたけれども。でも基本は素読舎でしたから。

根石
だから、8割を TOEIC に使ってもらっていいんです。それはもちろんそうです。

村田
漢方薬みたいな感じで。

小川
ああ。

村田
飲み続けるみたいな。

小川
その人の体質に合わせてね。

根石
それはそうだと思いますよ。だから大学入試を受けるのでもそうだと思いますよ。このレッスンを続けて基礎体力ができれば、I村さんの言い方で言えば、2割のエネルギーを使えば、レッスンを続けていける力がついているんですね。

一同
うん。

根石
あとの8割は、大学受験や TOEIC に使えると。

小川
大学受験に使えるのはすごいですね。みんな、何をやっているんだという感じですね。お金使って。
I村さんはテキストも「イメージ核受肉教材」とスクリーンプレイだけですよね。学校なんかに行った日には、いっぱいお金使いますもんねぇ…。

根石
I村さんは、「イメージ核受肉教材」に書いてある文法なんかについて、それまではわからなかったけれど、ああ、そういことですか、とわかったっていうことはありますか。

I村
うぅん、そうですね…。

根石
そういう部分はほとんど読まないですか?

I村
いやいや、そんなことはないです。ここ2年くらいで変わったと思いますね。わからない文章がわかるようになったとかはあると思います。

根石
それは TOEIC の問題集をやって、その解説を見て、わかってきたってことですかね?

I村
そういうこともあると思います。

根石
私が作った「イメージ核受肉教材」には、同じ説明を何度も何度も書いています。初めの頃は読み飛ばしていたけれども、何度も同じことが出てくるのを見て、これはこういうことですね、とわかったっていうことはありますか?

I村
音読していて、ですか?

根石
私の書いた教材にある文法的な説明です。

I村
後になってからわかったことですか?それはもちろんありますよ。

根石
一度わかってしまえば、あとはちらっと見て、これは飛ばしていい、と思ったら飛ばしてもらっていいんですけどね。
文法なんてものは一度わかればいいんで。一度わかれば勝負ありですから。

村田
2年前は、どこらへんをやっていたんですか?

I村
受けた経緯っていうことですか?

村田
いや、2年前くらいから変わってきたとおっしゃってませんでしたっけ?

根石
英語が大きく動いたっていうこと?

村田
2年くらい前から変わってきたっておっしゃってたと思うんですが。

根石
点が大きく動いたっていうことじゃなくて?

村田
教材を読んで、わかるところが出てきたとおっしゃってたと思うんですが。

I村
ああ、外部のテストを受けるということで、意味とか文法をかなり意識するようになったのが理由だと思うんですけどね。

村田
そういうことですか。

根石
やっぱり、TOEIC や英検を受けるのを奨めた方がいいと思うね。

I村
レッスンだけだと、どうしても音読で精一杯なんですね。意味とか文法とか語彙とか、そういうことに少なくとも私は意識が向きづらかったんですね。

根石
もちろんそうだと思いますよ。だから生徒さんには、自分で枝を生やしてくださいと、前から言っているんですけどね。

I村
まあ一言で言うと、目標ができたので、そういったものに意識が向くようになったんだと思います。レッスン自体は、文法がわからなくとも、語彙がなくとも、とりあえずはできるじゃないですか。その辺は根石さんが確認するわけにいきませんもんね。

根石
どういうことですか?

I村
例えば、レッスンの中で、私が単語の意味をわかっているかとか。

根石
うん、それは問われないですね。

I村
問われないじゃないですか。

根石
ええ。

I村
問われないと、私の場合は手を抜いてしまうのが悪い癖なんです。だから外部のテストを受けてそういうところに力を入れてきたのは良かったと思うんですよ。

根石
TOEIC の勉強と並行させるのはレッスンの使い方として非常にうまい使い方だと思いますよ。

I村
なので、もっと早く受けておくべきだったと思います。これは反省なんですけれど。

根石
でも、そういうことに気付くのも、さっき言った基礎体力みたいなものができてきたから気付いたということがあるんじゃないでしょうか。
枝を生やすのは、生徒さんが自分でやってもらうものだから、何をやってもらうのでもいいんです。その時期についても、いつこれをやれ、とはどなたにも指示しないんですよ。ただ、英検を受けてみませんか、と言うことはありますけど。

小川
受けるように決めたらどうですか?

根石
私はI村さんに言ったことがあったんでしたっけ?

I村
TOEIC ですか?

根石
そう。

I村
ああ。TOEIC を久々に受けるきっかけは、多分根石さんは覚えてらっしゃらないと思うんですけど、「七年目の浮気」を始めてしばらく経ってから、村田さんたちが根石さんの作った教材のかなり先をやり始めたと聞いた時なんです。

根石
それに誘ったんでしたっけ。

I村
そうです。それで私もどうか、という話があって、その時ちょっと考えたんです。

根石
その時は、TOEIC の方に力を注ぎたいと返事をもらったのは覚えています。

I村
その時は、自分でどのくらい力がついたのか、試してみたいと思いまして。だから、TOEIC を受けたんだと思います。

村田
江戸の母さんが自分で力がついたかどうかわからないと言っていましたから、受けた方がいいのかと思いました。

根石
時間さえあれば、枝を生やしてもらっていいと思うね。枝の方が太くなったって一向に構わない。樹液さえちゃんとめぐっていればいいんだから。

小川
ああ。
何万行まで行ったら、みなさん TOEIC を受けるというシステムにしたらいかがでしょう。

根石
まあでも、お奨めするっていうくらいのもんですけどね。是非やらなきゃいけないってことはないんで。

小川
まあ、でも、一里塚みたいにあればね。給水ポイントになってまた励みになると思うけれど。

I村
そうですね。私も励みになったと思います。

根石
どこらへんまでやってやろうという気持ちですかね?

I村
私ですか?

根石
ええ。

小川
どうせだったら満点(笑)。

I村
満点ですか…。そうですね、あと5年くらいかければ。いや、私は800点くらい取れれば、英語の自信ができるだろうと、そんなことを考えていたんですけれど、取ってみたら全然たいしたことないことがわかったんで。やっぱりここで止める理由にはならないですね。もうちょっとがんばりたいとは思っています。正直、800点くらいの方はもう少ししゃべれるんだと思っていましたけれど、少なくとも私に関してはそんなことないですので、まだまだ満足できる状態ではないですね。

根石
しゃべりに関してはもう、TOEIC 800を越えたら向こうへ渡るのがいいと思います。

I村
そうですか。

根石
チャンスはないですか。仕事で行くとか。

I村
ああ。では、せっかくいい点数を取ったので、アピールしたいと思います。

根石
900を越えたら強く出たらどうですか(笑)。

一同
(笑)

根石
研修か何かで、向こうへ渡ることはないですかね?

I村
そうですねえ…。結論から言えば、ほぼないと思います。根石さんはご存知ですけど、私は市役所勤めなんですね。だから仕事自体はかなり幅広いので、それらしい職務はあることはあると思うんですよ。海外へ行かないまでも、英語に関する仕事はあると思うんです。

根石
教育委員会の周りにあるんじゃないですか?

I村
ああ、そうですね。そんなのもあるでしょうし。一応国際交流課なるものもありますし。何の仕事をしているか私は知らないんですけど。そうですね、そういう機会があればやってみたいですね。

根石
だけど、今は周りが知らないんでしょ?

I村
私の点数ですか?

根石
I村さんが870取ったことは知らないでしょ?

I村
870取ったのはまだ言いふらしてないんですけど(笑)。機会があればもっとアピールします。私が英語をやっているのはみんな知っていますけどね。

根石
もうそろそろ言いふらしてもいいですね。

I村
そうですね。嫌味にならない程度にやりたいと思います。素読舎の宣伝にもなりますもんね。

根石
ええ、是非宣伝してください。

─しばしの間─

根石
おい、寝てんのかい、村田君。

村田
そんなことないですよ。

根石
俺は柿の種を食うのに忙しいんだ(笑)。

村田
もうみなさんいろいろ聞いちゃっているから。

小川
でも、すごいインパクトありますよね。I村さんが素読舎のレッスンだけで870点まで行ったっていうのは。私が素読舎を知らない頃にやっていたような勉強を今でもやっている人にとっては、もっとショックだと思います。インパクト大きいと思いますよ。

I村
そうですか。

小川
それは大きいと思いますよ。本当に。
さっき根石さんが基礎体力とおっしゃったんですけど、私は根っこのところを曖昧にしたまま、その上にいろんなことをどんどん積み重ねてきているから、どこか抜け落ちているところがあると思うんです。

根石
でもそれは、そういうふうに歩んできた人の、個人のせいじゃないですよね。

小川
うん、まあそうですね。

根石
大学が駄目なんですよ。日本の大学がずっとおさぼりを続けてきている。大学の先生が、二流の人ばっかりなんですよ。特に英語まわりは二流ばっかり。二流なんて言っちゃ褒め過ぎだな、三流ばっかりだな。

小川
(笑)私は大学はろくに行っていなかったし、中退しているから大学のことはわからないんですけれど。

根石
いや、そういうことじゃなくて。大学が英語の先生を作ってるんじゃないですか。

小川
あ、そういうことですか。

根石
その英語の先生たちが授業をやっているわけですが、結局あの人達の中には、素読舎や、柴田さんが言っている意味での「音作り」は存在しないんですよ。それを決めているのは大学ですよ。
…いけねえ、たばこを切らしちまった。

─この後、しばらく禁煙の話題─

小川
私たち(小川・村田)も「七年目の浮気」やりますよね。

根石
「ゴースト」が片付いてからですよ。

小川
「ゴースト」でもたついてますけど…。

根石
「ゴースト」は、ビュンビュン飛ばしてもらって。

小川
がんばります。I村さんを目標にしてがんばりますわ。

根石
それだったら、小川さんは TOEIC を受けて、I村さんは英検を受ければいいじゃないですか。

小川
そんなことしたら、私ますます落ち込みますよ。無駄なお金を使ったなあと思うから。

根石
世の中の人が英語に使っている金に比べたら、素読舎は本当に安いと思いますよ。

小川
そうですね。3年間に70万は使うんじゃないですかね。

根石
使う人は使うからねえ。

小川
私の友人で、英検1級とガイド試験を受けた人は、もともと英語とは関係ない仕事をしていたんですが、ある時集中して4年間勉強したんですよ。その時いくら使ったか聞いたら、1年間に百万円かかったと言っていました。

根石
400万使っているっていうことですか。

小川
まあ400万はいかないですけれど、最初の1年2年は百万くらい使ったそうです。だから、毎日どこかへ行っていましたもん。

I村
すごいですね。

小川
それを思うと、I村さんが8年間で使われたお金は、その何分の一で…。

根石
百万はいかないですからね。

小川
いかないですね。

根石
娑婆には1年間で60万くらい使う人はたくさんいますね。

小川
英会話学校って、だいたい半期で週二回で30万円とかね、そんなですもん。

根石
半年で?

小川
半年で。半年と言っても休みがあるから、5ヶ月強くらい。

根石
でも、つぶしのきく点を取るなり、英検1級をつけくわえるにしろ、公務員をやっていた方が安定しているから公務員をやっていた方がいいですね。
何を言いたいかっていうと、習う側じゃなくて、コーチの側にまわってしまうのがいいんだってことです。英語の力を、維持せざるを得ないから(笑)。

村田
うん。

小川
そうですよね。

根石
要するに、一種の磁場ですよね。英語の磁場じゃないけれど、維持させられちゃう、っていう意味で。
だから、今日村田君がI村さんとレッスンで音読をやった時みたいに、I村さんは練習がちゃんとできているのに、コーチをやる人間の村田君の方が練習が足りなくて、足をひっぱっちゃって音読が先に進めないというようなことは、これは恥だからね。

村田
はい。

根石
まともな恥の感覚を持っていれば、維持されるわけだ。日本人は恥の文化の民族なので、まともな恥の感覚を持っていれば、コーチの側にまわってしまうのは本当に得だと思いますよ。金が入る入らないはともかく、維持するということに関して。だけどもI村さんは今とてもいいポジションにいるから、そんなやくざな世界にひきだすわけにいかんなあ、っていうのもあるんだけれど(笑)。

I村
まあ私にはそんなプレッシャーはないですね。

根石
文部省、あるいは文部省の下にあって、これまでの日本の英語の体たらくを作ってきた連中がいるわけなんですが、その体たらくがあるから、例えば英会話学校が繁盛したりしたんですよね。そして小川さんの友達が1年に百万円を英語に使ったのは、小川さんの友達が特別なんじゃなくて、他にも同じような人が結構な数いるはずなんですよ。

小川
そうですね。額はそこまではいかなくても50万60万は使いますよね。

根石
毎年車を買い換えられますね。そういうことで言うと、素読舎で百万まで使わないで、コーチ側にまわってしまうと、維持することでは非常に得ですね。金は儲からないけれど。まあ金は儲かってほしいんですけども。

小川
でも入ってくるじゃないですか。儲かるってほどじゃなくても。

根石
徒弟制度みたいなところがありますから、私も言うことは言いますし、村田君が今日みたいなことやってると、ふざけんじゃねえと、ちゃんと言いますので。ただ村田君が今日やったみたいなことが続けば話は壊れるんですけれども、1回や2回はいくらでも見逃すので。それで、コーチ側にまわっていると、自分の英語が維持されていく…いや、英語が、じゃなくて、練習が、ですね。英語そのものを維持するんだったら磁場へ行けばいいので、練習そのものを維持するなら、コーチの側にまわるのがいい。

小川
コーチを始めるんだったら、「七年目の浮気」が終わったあたりですか?それとも「イメージ核受肉教材」の何万行目からとか…。

根石
いや、「イメージ核受肉教材」の何行目からというようなことは何も決めてないですよ。音読が、「ゴースト」と「七年目の浮気」の2冊で4ページの復習箇所を3ヶ所、それを10分以内で終わらせる。最終的には、「七年目の浮気」の中だけで、3箇所復習をやる。それを10分以内。これは相当きついと思いますよ。

小川
今の生徒さんはずっと「イメージ核受肉教材」でやってこられてるじゃないですか。

根石
そうですよ。小学生からずっとそうですから。

小川
そうしたら、ある程度進んだら、コーチやってみませんか、と言うんですか?

根石
いや、そうじゃなくて、私のレッスンを受けていてもらうだけで、順調に進んでいけば、最終的には「七年目の浮気」で4ページ3ヶ所できるところまで行くんです。

小川
そうなんですか。

根石
ええ。時間はかかりますけどね。時間はかかりますけれど、音読としては、そこまでやります。それができるようになれば、もうレッスンで音読はやらなくていい。自分でやっていけばいい。おそらくそのあたりから完全に「無料過程」になっていると思いますけれどね。
それで、「無料過程」の方が多い、ということにしたかったんですけれども、まあ今でもしたいんですけれども、なかかうまくいかない。今までに「無料過程」へ送り出した生徒が一人いて、それはかたさんなんですけれども、吉さんと組んで二人で「無料過程」をやってもらっていたんです。私の方では、ただより高いものはないんだから、「無料過程」でやるんだったらちゃんとやれよ、という思いがあったんです。そんなことは言わないですけれど、当たり前だろう、と私は思っていたんです。ですが、二人が「無料過程」をいい加減に扱いだしたところがあって、何か心得違いをしているんじゃないかと思ったんです。吉さんは体調を崩したということがあって、「私は手を引くのであとは根石さんと相談してください」と、かたさんの方に連絡があって、私の方には連絡がなかったんです。2ヶ月以上まったく練習をしないでいて、そのことをまったく私に連絡しなかったんです。私の方ではふざけるな、という気持ちがあり、それならしばらく練習から離れるがいい、と思って、今、かたさんはほったらかしてあるんです。かたさんに、話があるから連絡をくれと言っておいたら、教員の資格を取るために夜10時くらいまでやることがあって、7月の半ばまでは忙しいから連絡できないと言っていました。私はじかに話をするつもりでいるんですけれどね。まあ、若いから、ただより高いものはないことを知らないんですね。あのまま教員になってもらうと困るね。

小川
「無料過程」をいい加減にするって、どういういい加減さなんですか?

根石
要するに2ヶ月くらいの間なにも練習しないで、バイトを優先して。

小川
ああ、まあ、それはかたさんが悪いんですよね。

根石
そうそう。バイトを優先したっていうのはね。

小川
吉さんは別に…

根石
吉さんはおそらく、根が真面目で、だから会社勤めしていても疲れちゃうんじゃないかと思うんです。それで体調を崩したっていうことだと思うんですけど。「無料過程」は、ほんとうにただポイっとほったらかされた感じですね。

小川
報告ぐらいはあっても良かったですね。

根石
「体調が悪いので今は練習ができていません」と、一言くらいあって良さそうなものだと思います。常識だと思うんですが。

小川
吉さんはどこか傷ついておられたんではないでしょうかね。

根石
それはあると思います。だけど、傷ついてほしいですね。アメリカから帰ってくればつぶしがきくと思っている人には。

小川
うぅん。

根石
これは言ってしまえば酷ですが、若い頃にアメリカへ行ってしまうと、わからなくなることがあるんですよ。それは原理的にそうなんです。日本に居続けて英語を持ち続けることをやっている人のことがわからなくなるんです。だって行ってしまっているんだから。行ってしまえば、磁場のもたらすものは確実にあるので、そのことでわからなくなるんです。それはその人のせいだとは言わないけれども、わからなくなるのは確かなんです。
NHK の語学番組に出てる講師なんて、みんな磁場帰りばかりじゃないですか。松本…なんでしたっけ。

小川
道弘ですか?あの人は英語を使う職場にずっとおられたみたいですね。

根石
そうそう、あの人は商社に勤めて、毎日海外と電話を通して商取引をしていました。磁場っていうのは当事者にさせられる場だから、あの人は電話線を通して磁場にいたんです。だからあの人はハワイ大学の教授かなんかになった時に初めて磁場を体験したんじゃないですよ。

小川
うぅん。

根石
商取引は、「当事者になる」という意味での磁場ですよ。だから、松本道弘まで含めて、語学番組の講師なんて磁場から来た人ばかりですよ。そいつらがでかい顔してるんです。それが本当に気に食わないんですよ、私は。
磁場に渡ることが悪いと言ってるんじゃなくて、磁場に渡った人は、自覚がない。日本のことがわからなくなっている自覚がない。日本在住でずっとやっていることがどういうことかわからなくなっているという自覚がない。それが気に食わないんです。そりゃあ、飯の種にしている連中に対する気に食わなさに比べたら、はるかに薄いものですけれども、それでも吉さんに対してそう思うところはあるんです。

小川
それは、自覚できないものなんですかね。

根石
いや、自覚はできると思いますね。どうしようもなくわからなくなっているんですけれども、日本に帰ってきてから自覚はできると思いますね。それは思想の問題で、語学の問題じゃないですね。思想的にとても弱いと言っているだけです、私は。磁場帰りでぺらぺら英語をしゃべったところで、思想的に弱いなんて、そんなものなんぼのもんだと思っています。
ああ、たばこ終わっちまった。…ちょっとまずいな、この流れは。

村田
でも今日はお話を聞く機会ができてよかったですよ。

小川
私もよかったと思いますね。本当に。

根石
2年くらい前っていうと、レッスンを5年くらいやった時ってことですね。自分の中で大きく英語が動いた感じがしたっていうのは。

I村
そうですね。正確に言うと、「七年目の浮気」が終わったのが、2007年のちょうどこの時期くらいだったんじゃないですかね。

根石
夏の始まりくらいですか?

I村
もうちょっと秋くらいだったかなあ、という気もしますけれど。まあそれで、目標がなくなっちゃったんですね。だからちょうどいい時だったと思うんですよ。

根石
ああ、それで TOEIC の方へ行ったっていうことですか。

I村
そうですね、はい。2つ目の音読テキスト(「七年目の浮気」)が終わって、悪い意味でレッスンに慣れてしまっていたので。これから何をすればいいのか、っていうのがあったんですね。私の場合、仕事で英語を使っているわけじゃないので、英語がなくても全然困らないわけですから。だから目標がなくなってしまったのは、英語を続ける上で、かなりピンチだったんです。今だから言いますけど。

根石
まあ今の判断ですけれど、「ゴースト」と「七年目の浮気」の2冊、それで最終的には「七年目の浮気」1冊、それで12ページ、それでひとまずはいいんじゃないかなと思っているんです。

I村
そうですね。私もいいとは思うんですけど。

根石
だからその段階で、外へ枝を生やしてくれ、と言うのは、タイミングとしてはいいかもしれないですね。

I村
他にも目標がある方ならいいと思うんですよ。英語が上達したいとか、そういう気持ちがあるうちはいいと思うんです。

根石
生やす枝は、何でもいいんですけどね。チャンスがある人は、磁場へ渡るのもいいと思うし。

I村
そうですね。目標があれば、練習も全然苦にはならないじゃないですか。上達するんだという気持ちがあれば練習が厳しくたってやっていけると思うんですけど、目標がなくなっちゃうと、どうしようもないですね。

根石
私が「イメージ核受肉教材」の13万行台へジャンプすることを奨めたのは、「七年目の浮気」が終わった後でしたっけ?

I村
ええ。終わってしばらくしてからですね。

根石
そうですよね。

I村
半年くらいですかね。その年の12月くらいです。ちょうど年末ですね。

根石
「自立練習」ができなかったのが残念なんです。「自立練習」ができていれば、13万行台をレッスンでやって、8万行台を「自立練習」でやる形ができたんですよね。

村田
「自立練習」はしてなかったんですか。

根石
「自立練習」はしてないんだよね、今まで。

I村
一緒にレッスンを受けていたTさんがとても忙しい方だったということがあると思うんですけどね。まあTさんがいないところで言うのもなんなんですが、Tさんは私と同じ気持ちだったんじゃないかな、と思っているんですよ。「七年目の浮気」が終わって、その後の目標みたいなものがなくなってしまって、英語に対する情熱がなくなっちゃったのかな、という気はしていたんですけれど。

根石
そうですか。

I村
私が勝手にそう思ってたんですけどね。まあ、私がそういう気持ちだったんで。

根石
「自立練習」の時間が取れるのであれば、13万行と8万行の組み立てを考えてもらってもよかったんですけどね。
あと、これも言っておきたいんですが、私の生徒さんで、アメリカで2年くらい仕事をされた方がいました。その間もレッスンはやっておられたんですけども、帰ってこられた時、お子さんが6年生と3年生だったかな。それで、上の子は英語をしゃべるっていうんですよ。じゃあそれを維持するのに私のレッスンはどうですか、と奨めたことがあったんです。そうしたら、それどころじゃないと。学校の勉強が、アメリカへ行っている間の分、ぽっかり穴が空いてしまっていて、大変なんだと言っていましたね。だから、子どもの方が、親よりも影響が大きかったのかもしれないですね。

I村
ご家族で行っておられたということですか?

根石
ええ、家族で。それはもう、こっちは想像するしかないんですけど、大変だなあとは思いましたね。

I村
私の中では、仕事で家族で海外なんて、気楽な感じで、全然悪いイメージはないんですけどね。

根石
悪いイメージではないんですけども、大変なんだなあ、という感じはありましたね。

村田
TOEIC を受けるのもいいですね。

根石
ああ、村田君も受ければいい。

村田
TOEIC 用のテキストを使わないで、素読舎のテキストだけでどこまでいくのかをやってみるのはどうかと。

根石
いや、それは不利だよ。それはI村さんから聞いた方がいいよ。

I村
TOEIC って時間配分が異常なんですよ。特にリーディングの方は、普通にやったら2、30問残して終わると思いますね。

村田
ああ。やっぱり慣れておかないと駄目なんですね。

I村
最低限時間配分をやっておかないと、厳しいと思います。

根石
村田君、受けてみて。問題集買ってきてさ。

小川
村田さん、私、問題集送ってあげます。

村田
英検の方は問題集あるけれど、TOEIC は考えてなかったです。でも TOEIC の方が面白そうですね。

小川
TOEIC は考えている暇がないんですよね、本当に反射神経で。

I村
ああ、そうですね。

小川
リスニングなんかも、聞きながら選択肢を読んで選ばないと。それをやらないと全然埋まらない。

I村
感じないと駄目ですね。

小川
そうですね。

村田
感じるんですか。

I村
そうなんですよ。

根石
素読舎のレッスンは、結構のんきなものだから、基礎体力にしか関わっていないんで、基礎体力だけで勝負しようったって、駄目だよ。

村田
駄目ですか(笑)。でも小川さんと13万行台の「自立練習」をやっている時、小川さんがここらへんは結構試験向きのボキャブラリーがあるって言っていたから…。

小川
13万行ですか?

村田
はい。

小川
ああ、そうですね。

村田
だから、いけるのかな、と思ったんですけど。

根石
いや、問題集をやらなきゃ駄目だって。

小川
そういえばTOEIC は今年システムが変わったんですよね。確かスピーキングも入るんでしょ?

I村
そんなのがあるんですか?

小川
以前は430点以上取らないとスピーキングのテストを受ける資格がなかったんですけども。今はスピーキングのテストもあると聞いたんですが。

I村
ああ、ああ、ありますね。あまり人気がないみたいですけど。

小川
高いんでしょ、多分。

I村
高いのもありますね。

小川
受けてみられたらどうですか。

I村
スピーキングの方ですか。そうですね。

小川
私はどうしよう。がんばろう。

村田
TOEIC を受けちゃおう。

小川
私は「ゴースト」がんばりましょう。

根石
I村さん、最後にこれだけは言っておきたいことってありませんか。

I村
先ほど、素読舎は基礎体力っておっしゃってましたが、素読舎の方法は TOEIC にとても役にたったと思うんです。

根石
ありがとうございます。

I村
リスニングの方は、本当に音読の繰り返しをやっただけですからね。だからよかったと思っています。それは間違いないと思っているんですよ。

根石
ありがとうございます。今日は本当にありがとうございました。


インタビューを終えて
「普通」を普通にする方法