語学論

じりき問題

じりき問題 投稿者:根石吉久 投稿日:2010年 8月16日(月)09時25分14秒

 「じりき」という語を辞書でしらべてみました。やはり、私がこれまでに何回か使ったように「地力」という漢字で表記されています。「地力」は「ちりょく」とも読んで、「ちりょく」の場合は、園芸、農業、林業関係の用語になり、「土地が作物を育てる能力・土地の生産力」です。
 私は最初「じりき」という語を相撲のラジオ放送で聞いたのでした。相撲の解説者が使っていた「地力」は、辞書では「そのものに、もともと備わっている力・能力、本来の実力」というふうに説明されています。
 相撲の解説者は「ジリキをつける」というふうに使っていたのですが、「もともと備わっている力」だったら、「ジリキをつける」というふうなものではないはずです。(元力士の)解説者が、「(もっと稽古して体を作って)ジリキをつけないと・・・」というふうに使うのであれば、地力というものも稽古によって作られるものだということになり、厳密には「もともと備わっている力」という定義ではおかしいことになります。
 「もともと」のものなら、「地力を引き出す」なり「地力を強める」という言い方になるはずで、「地力をつける」はおかしい。それは「つける」ようなものではない。
 では、元力士の使い方がおかしいのかと考えて、私はそうではなく辞書の定義がおかしいではないかと疑っています。元力士が「地力」というものに関して間違った使い方をするとは考えにくいからです。
 私が辞書の記述をやるなら、「もともと備わっている力とその発展形」とでもすると思います。

 細かいことを書いたのは、掲示板を始めた当初、「磁場」という用語をめぐってかなり混乱があったことを思い出すからです。今では、「磁場」という語を間違って使う人はいなくなりましたので、「磁場」については心配していませんが、今後「じりき=地力」という語を使っていく場合、どう表記すべきか迷っています。「地力」という表記では、「じりき」と読む人より、「ちりょく」と読む人の方が多いだろうとも思います。ひらがなやカタカナで書いたのでは、ちょいとへなちょこだし、と。

 いま思いついただけのものですが、「3J」ができます。
 「じば=磁場」「じりき=地力」「じりつ=自立」で「3J」ということになります。
 これらについて、典型的な使い方は以下のようなものになるかと思います。

「日本在住のままの語学においては、『磁場』の磁力を欠いています」「英会話学校に行っても『磁場』は手に入りません。あそこにあるのは、あくまでも「教室」に過ぎません」

「ひとまず教材の3万行程度をやって、中級半ばくらいの『地力』を作ってもらわないと」

「「自立練習」の『自立』っていうのは、生徒が二人で練習してもらうことですが、語学は元々は一人になってやることなので、最終的な「自立練習」はひとりでやる練習です」

 「3J」は思いつきにすぎませんので、「じりき=地力」問題に戻ります。

 学力だなんだと言い、進学校は生徒に過大な要求を出していますが、決して「じりき=地力」を作っているとは思えない。学力という迷妄を押しつけられている現代の子供達から奪われていくのは「じりき=地力」なのだと考えているので、用語として表記を決めた方がいいのだが、どう表記すべきかと迷っています。
 思い切って、JIRIKIとアルファベット表記にしてしまおうかとも・・・


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