語学論

どのくらいやれば英語がしゃべれるようになるのか

どのくらいやれば英語がしゃべれるようになるのか 投稿者:根石吉久 投稿日:2011年 4月 9日(土)01時28分56秒

 そよさんが「家庭の事情で」、レッスンをやめられることになりました。そのことを連絡して下さったメールを以下に引用させていただきます。

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最後に素読舎を1年続けた感想を述べさせていただきます。

良かった点は
・教材
 繰り返し同じ単語、同じ表現を利用した文が並べられており、
 自然と意味を吸収できました。

・自立練習
 レッスン以外の練習時間を持つことができ、口の動きの維持に
大変役立ち、またペアがいることで相手から見習うことも多くと
ても良い時間でした。

残念な点
 素読舎に入った際の目的として以下2点がありましたが、1年し
かしていないということもありますが、変化があまり見られなか
ったことです。
 ・ヒアリングの向上
 ・発話の向上
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 書きたいと思ったのは、「良かった点」に関してではなく、「残念な点」についてでした。
 そよさんはまるでしゃべれないというところから始められたのではないのですが、「変化が見られなかった」とおっしゃっています。
 まるでしゃべれない人が、苦労しながらでもしゃべれるようになるまで、あるいは少ししゃべれる人が、苦労が減ったと感じるようになる(ごつごつ感が減ったと感じるようになる)までにどれくらいのことをやればいいのかを書いておきたいと思いました。

 そよさんは、「新しいページ」が今の時点で、43ページ目ですので、これでは「変化があまり見られなかった」のは当然です。欠席が多かったことが、音読があまり進まなかったことの最大の原因だと考えています。

 ピッコロさんも、「しゃべれるようになりたいのだ」とはっきり言っておられます。他の生徒さんにも、ひとまずは「しゃべれるようになりたい」という希望をお持ちの人がおられると思っています。

 そのためにはどのくらいのことをやればいいのかを、これまで私ははっきり言うことができませんでしたが、長くレッスンを使ってくださっている生徒さんの動きなど見てきて、そろそろ「これくらい」ということが言えると思っています。

 Piggy さんは、割と早めにしゃべれるようになりましたが、これは語彙力と文法力があらかじめあったところへ素読舎の方法が組み合わされた例なので、標準形にはなりません。
 基礎が弱い場合は Piggy さんよりもっと時間がかかります。
 基礎が弱い人がしゃべるようになるまでにどのくらいのことをやればいいのかが示せれば、それに必要な時間も出せることになります。(欠席などが多ければ、その分時間がかかります)

 目安になるのは、音読の質です。

 素読舎のレッスンでは、小学生・中学生を除いて、まずは「ゴースト」のシナリオを解析したテキストだけを扱うことから始めます。参考になりますので、レッスン開始時に生徒さんから英検の級とかTOEICの点数などをお聞きしますが、ひとまずはどなたにも「ゴースト」を解析した教材の最初から使っていただきます。
 基礎力があることがわかった場合は、レッスン開始後まもなく、「ゴースト」のシナリオ本の音読を開始します。基礎力が弱い場合は、音読の開始は遅くなりますが、どなたでも数千行から1万行を越えた頃には、音読を開始していただきます。
 いったん音読を開始しても、10ページを10分以内で終わらせるということが難渋する場合は、音読は中断する場合があります。中断した場合は、その後しばらくは「ゴースト」の解析の教材だけを扱い続けます。「イントネーションの自己決定力」と呼んでいるものが明らかに向上したと判断できるようになったら音読を再開します。

 音読の組み立ては以下のようになります。

・新しい1ページを二度読む。(「二人一枠」の場合は、
 各自一回ずつ1ページ分を読む)
・復習4ページを二箇所。(合計8ページ分。「二人一枠」
 の場合は、かわるがわる1ページずつ読み進む)

 新しいページは、同一ぺージを二度読みますので、延べで(分量としては)2ページ分になります。復習が8ページですので、合計で10ページ分になります。
 これが、「ゴースト」の音読を進める場合の標準的な構成です。
 この構成でやっている場合にも、個々の音を注意したりしますが、眼目は文をひとつながりに「つなげる」ことが最初の眼目です。
 個々の音で注意されたり、読みがつながらない場合は、同じ文を5回以上繰り返し読むことを要求されますので、その分だけ音読を終えるのに時間がかかることになります。
 合計10ページを10分以内に片付ければ「合格」です。

 合格が連続すれば、新しいページが週に1ページずつ先に進みます。

 レッスンの30分のうち、最初の10分(程度)を使って、音読の質をチェックしていることになります。

 「ゴースト」の最終ページまで終わらせると、「新しいページ」というものがなくなりますので、4ページの復習を3箇所作ります。分量としては12ページになります。「合格」の種類が二種類になり、12ページを12分以内に片付けた場合は「○」、12ページを10分以内に片付けた場合は「◎」を記録します。
 (いつも「◎」であるようになれば、「無料過程」に進む条件の一つを満たしたことになります。)

 この頃から、音の粒をはっきりさせることを要求します。
 音がぶつぶつ切れずに「つながっている」ことは、音読を始めた当初から要求されますが、この「つながっている」ということと、「音の粒」がはっきりしていることとの両立が要求されます。
 意欲のある人には、合計10ページで練習している間から、「音の粒」をはっきりさせることを要求する場合もあります。この辺は、生徒さんの意欲次第です。「口を回しきる」のがなかなかできない場合は、音が半分つぶれたような状態でも、「合格」にしてしまう場合もあります。

 いずれはどなたにも、「つながっていること」と「音の粒がはっきりしていること」の両立を要求します。

 12ページをいつも「◎」でやれるようになったら、いったん「ゴースト」を中断し、二冊目のテキスト「七年目の浮気」に入ります。「新しいページ」を含めて延べで10ページ分で進めていくのは、「ゴースト」と同じです。12ページでやる(復習だけでやる)ようになったら、「つながっていること」と「音の粒がはっきりしていること」の両立を要求するのもゴーストと同じです。「七年目の浮気」は、「ゴースト」よりも1ページ分の文の量が多いので、ここを乗り切るのはけっこう大変です。

 「七年目の浮気」の12ページを復習3箇所で耕し、いつも「◎」であるようになれば、「ゴースト」の復習4ページを1箇所、「七年目の浮気」の復習4ページを二箇所で耕し直します。この12ページをいつも「◎」でやれるようになれば、ひとまずレッスンでの「音づくり」は終了です。

 素読舎の「音読」の過程の全体が「合格」になったら、英語ネイティヴを友達にしてしゃべり始めることを是非お奨めします。苦労しながらでも、意志の疏通が成立しますので、「しゃべること」が成立します。

 ここでしゃべれない人は、音読を開始した頃から私が言う「言いながら書きながら思う」という練習をさぼっていた人です。
 これはどうしてもやらなければ駄目です。

 まずは単語を相手に「言いながら書きながら思う」ことをやり、具体的な単語とイメージとの間を瞬時に行き来できるようにします。慣れれば、「行き来」ではなく、単語とイメージが瞬時に一致する(同致する)ようになります。
 それは、意識にイメージが生じれば、自動的に具体的な単語や意味の固まりや文として言える状態であり、具体的な単語や意味の固まりや文を聞けば、それがイメージとなる状態です。

 「言いながら書きながら思う」練習を単語、連語(文の部品としての意味のかたまり)を相手に絶えずやっていないと、いざしゃべろうとしてもしゃべれるようにはなりません。そのことは、はっきりお断りしておきます。

 「言いながら書きながら思う」をきちんとやってくれた場合、苦労しながらでも英語で意志の疏通が成り立つ(しゃべれるようになる)時期は、素読舎のレッスンでの「音読=音づくり」の終了した時だと考えていただいていいと思います。

 どなたか頑張って練習し、私が今立てている目安でいいことを実証してみてくれるよう願っています。



英語を話せるようになるまでのレッスン期間 投稿者:I村 投稿日:2011年 4月16日(土)07時18分29秒

ざっくり言ってしまえば、2冊目のテキスト「7年目の浮気」が終わったあたりです。私はこの頃にToeicを受験し、点数(リスニングとリーディング)がとても伸びました。

当たり前ではありますが、これは私の場合であって、ほかの人に当てはまるかどうかはわかりません。とはいえ、私は根石さんが勧める「言いながら書きながら思う」を長い間さぼっていたにもかかわらず、リスニング力をいつのまにか培っていたわけです。

「音作り」をしっかりすれば、おのずと話す力もついてくると思います。



I 村さん 投稿者:根石吉久 投稿日:2011年 4月18日(月)23時44分34秒

>ざっくり言ってしまえば、2冊目のテキスト「7年目の浮気」が終わったあたりです。

 これは私が考えていることと同じですが、これまで I 村さんは英語を話してみた経験を書かれていませんでした。
 英語を「話す場面」で使ってみたということなのでしょうか。
 アメリカに遊びに行ったとき、まるで通じなかったというのがレッスンを開始してくれた動機になっていたと覚えています。
 私のレッスンを使ってくださって、英語をしゃべって意志の疏通ができたということが起こったのであれば、私のレッスンが確かに有効であったことの証明になります。
 もし話すことを始められたのなら、どんな様子か書いて下さるとありがたいです。



7年目の浮気が終わった際の私の変化 投稿者:I村 投稿日:2011年 4月20日(水)21時19分3秒

>英語を「話す場面」で使ってみたということなのでしょうか。

 いえ、あくまで私の感覚ですが、7年目の浮気が終わった時点で「だいぶ変わったな」ということです。具体的には次の2点。

・初めて読む文章でも、数回繰り返せばスムーズに音読できるようになったこと。

 7年目の浮気が終わる頃になると、発音やアクセントで根石さんから指導されることがほとんどなくなり、「イントネーションの自己決定」ができている実感がありました。レッスンを始めて半年あたりでも、私の音がすごくよくなったと根石さんは褒めてくださいましたが、私自身はいまいちピンときていなかった覚えがあります。ゴーストが終わったあたりでも、「まあ発音記号を調べさえすれば何とか読めるかな」といった程度で、自信はありませんでした。音読に自信がついてきたのは、7年目の浮気が終わったあたりで、数回読めばスムーズな音読ができるようになりました。

・音声教材によるリスニングが飛躍的に向上したこと

 たしか、平成16年の頃だったと思いますが、レッスンを始めて1年半くらい、ゴーストの6、7割が終わったあたりの時期でしょうか。Toeicを受験しようと思い、音声教材で勉強していたものの、全く聞き取れず、たまに知っている単語を聞き取れる程度で、がんばってレッスンを受けていただけに結構ショックでした。
 7年目の浮気が終わったのは、平成21年の夏ごろです。そして平成22年の1月くらいからToeicのテスト勉強を再開したところ、何とか会話の内容を追える程度までリスニングができるようになっていました。何とか、ではありましたが、以前に比べれば、それこそ雲と泥くらいの差があると思います。もしかしたら、7年目の浮気が終わった時点で、Toeicにおける600点から700点くらいの力はついていたのかもしれません。

 あくまで私の経験談ではありますが、「音読の自信」と「リスニングの向上」の2点を実感できた、7年目の浮気の終了が、ひとつの区切りであったと考えます。


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