語学論

こみゅにかてぃぶ・いんぐりっしゅ

こみゅにかてぃぶ・いんぐりっしゅ 投稿者:小川 投稿日:2011年 5月27日(金)07時28分41秒

先日、ベテラン通訳ガイドにくっついて奈良のガイド勉強。JR奈良駅を出発し、ならまち→興福寺→東大寺→春日大社→ならまちと歩いて回って来ました。(奈良に来られたら、是非このルートで回って下さい。歩いて3時間程度です)

前代未聞の震災と原発事故の影響で、奈良でも外国人観光客は激減。昨日の私達のウオーキングツアーも、新米ガイドの私達とアメリカ人男性1名という状態です。つまりお客様1人にガイドが三人....(このアメリカ人の名前を仮にHenry としておきます。)

それに対し日本人旅行者は、東北地方を避けて近畿地方に流れて来ているようです。東大寺など修学旅行生で芋の子を洗うような状態です。

さて、その東大寺に小学校の修学旅行の一団がいました。5~6名のグループになって、外国人と見れば何の断りも無く

"Hello!"
"What is your name?"
"Where are you from?"
"What kind of Japanese food do you like"
"Which place do you like?"
"Please sign here."(!!!!)

と声をかけてくるのです。

小学校英語の成果を発揮する目的なのでしょう。それぞれアンケートシートのようなものを持った同様のグループがあちこちで外国人ハントをしています。質問内容のリストを読み上げながら、てんぷらや寿司、京都や東京等の観光スポットの写真つきのシートを外国人観光客に指し示し、質問を読み上げるだけなんですが、しかしそれも到底通じる発音ではありません。

それに...初対面の人間にいきなり "What is your name?" や"Please sign here." です。職務質問か....無礼にもほどがあります。

外国人の姿があまりにも少ないので、行く先々で我も我もと、まるで砂糖にたかる蟻のようにHenryに群がって来ます。最初の数回はHenryもおもしろがって答えていたのですが、3回、4回と回を重ねるうちにうんざりして来たようです。

南大門あたりで、引率の英語の先生も一緒のグループにつかまりました。子供達がアメリカ人との「コミュニカティブ・イングリッシュ」を楽しんでいる傍らで、横から助け舟を出すでもなく、ただニコニコと眺めておられます。

けれどほほえまし光景というよりは、むしろ腹立たしい光景でありました。おかげで私達のウオーキングツアーは一向に前に進まなかったのです。ガイドさんは仕事中、私は研修中、Henryは帰りの電車の都合がありますから、いい加減にしてもらいたいと思いました。東大寺南大門前の鹿の厚かましさは有名ですが、今回ばかりはしつこくエサをせびる鹿達よりも、小学生軍団の方がわずわらしかったのです。

Henryは子供好きということで、最初の内は辛抱強く聞き返していましたが、どう聞いても発音が通じないので、とうとうアンケートシートを小学生の手からひったくり、自分で読み上げながら1人で答えていました。

ついに5回目、"Excuse me. May I ask... ”と近づいて来られた時には、先輩ガイドは「もう4回も聞かれているのよ。ごめんなさいね」とやんわりと、しかしきっぱりと言い、Henryは小学生達の顔さえ見ず、やややけっぱち気味。壊れたレコードのように彼らの質問文を繰り返していました。

仏の顔も三度までです。

これがコミュニカティブ・イングリッシュと言えるのでしょうか...

(自分の語学日記に書いたものなんですが、こちらにも投稿します)


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